怖いのはチャドクガ
単に枝葉の形を整えるだけが剪定ではありません。もちろん、育っていく木を美しく健康に、イメージ通りに育てていくために行う作業でもありますが、剪定の目的はそれだけに限りません。
余計な葉が増えれば日光は当たりづらくなり、せっかく枝葉が生い茂っていても、栄養が行き渡らずに中々実が育たないということにもなりかねません。
また、そのようにうっそうと生い茂った木の中では、日陰も増え、害虫のトラブルが起きやすくなり、繁殖の温床となってしまいます。
例えば、サザンカの木でも同じことが言えます。サザンカの場合、気を付けなくてはいけない害虫としてチャドクガが挙げられます。毒針を身体に備えたこの害虫は、放っておくと様々なトラブルを巻き起こします。この針が単に皮膚についただけでもかゆみが止まらなくなったりするらしいですから、剪定の際には気を付けなくてはなりませんし、剪定する時の意図として「害虫駆除」をしっかり意識する必要があるでしょう。
サザンカと言えば、家の周りの囲いとして生やしている家庭もあるはず。元々、日当たりの良い場所・悪い場所を問わずに育てることができるため、庭木としては比較的適しています。
古くから日本人に愛されている木だと言えるため、古き良き日本家屋には必ずと言っていいほど生えていると言えるでしょう。その中にガが繁殖してしまったのでは、せっかくの美しいたたずまいも台無しになってしまいます。
剪定は大きく二回。切りすぎるリスクを恐れずに切っていくの大切
そんなサザンカの剪定ですが、大きく分けて二回の時期で行います。一回目は3月から4月の時期。この時期はサザンカの花が終わった頃で、翌年の準備として剪定を済ませておきます。花が終わった直後に剪定するのがよしとされ、その時期に少し芽を残しておくと、来年の同じころにほどよく花を咲かせてくれると言います。
開花が終わって夏が近づいてくると、今度は害虫がわきやすい季節にもなってきますから、このタイミングである程度木をさっぱりさせておく必要があります。
二回目は11月から12月。このタイミングで剪定をして、近づいてきた開花時期に咲かせたいイメージを膨らませながら剪定を行います。どちらかと言えば、無駄な枝などを切り落としていくイメージです。
サザンカ自体は樹勢が強い方になる木ですから、切りすぎるという心配はあまりしなくてもだ丈夫です(むしろ、あまり切らないで日影が増えてしまう方が問題があります)ちなみに、サザンカは比較的枝の先端に花を咲かせる植物なので、あまり深く切りすぎると芽が出なくなってしまうので注意が必要です。
とはいえ、たくましく育ってくれるこの木は、剪定しがいがある植物ですから、きちんと手入れをして、健康に美しく育つようにケアしていきましょう。