「花が終わったら剪定する」つつじ
剪定をするのなら、どんな類いの植物でもある程度神経を使うものです。その中でも、つつじは比較的難しい部類に入ると言えるでしょう。理由にもいくつかありますが、その一つに開花時期が挙げられます。つつじの開花時期は4月中旬から6月中旬と言われています。それが終わるといったんは休眠に入るわけですが、開花時期の約一カ月後には新しい花芽がつきはじめてきます。つまり、この短いスパンの間に剪定を済ませておかなくてはならないわけです。
言うまでもなく、剪定は植物の翌年の開花や成長を管理する上で重要なもの。翌年どのように植物が育ち、どのくらい花を咲かせるのかは剪定の出来次第。その中でも、開花の終わりから次の花芽がつくまでの期間が短いつつじは、剪定のタイミングに非常に神経を使わなくてはなりません。剪定が早すぎれば花を枯らしてしまいますし、遅すぎれば新芽を切り取ってしまうことにもなりかねません。このタイミングであまり深めに剪定をしてしまっても、新芽が生えなくなってしまうということもありますから大変です。
また、この開花時期は地域に応じて波があるともいいますから、咲き終わるタイミングをつかむには日頃の観察が欠かせません。剪定に使う用具や剪定の方法自体がそれほど難しいわけではないのですが、ことタイミングという点に関しては、中々経験値と知識が求められる植物と言えます。 「花が終わったら剪定する」とはつつじの剪定を指した格言ですが、「花が終わる」の時期の見極めが難しいがために生まれた言葉と言えるでしょう。
剪定するのはつつじかさつきか
また、つつじと似た植物にさつきがあります。自分が育てている植物がつつじと思っていたらさつきだったとか、あるいは、どちらも似ているから同じように剪定しても大丈夫だろうと考えると痛い目に遭いますから気を付けなくてはなりません。外見的に非常に似ているつつじとさつきですが、剪定時期が微妙に異なります。つつじの剪定時期は先述した通りなのですが、さつきの剪定時期はそれから一カ月ほど遅くなるのが特徴です。どちらをどちらと間違えるにしても剪定には障害が起きますから、違いの判別は覚えておく必要があります。
見極めるのは難しいですが、よくよく見れば違いが分かります。例えば、葉や芽に生えた細毛の色が微妙に違ったり(つつじは緑色、さつきは茶色)、葉の大きさや触感も異なっています。つつじの葉は大きくザラザラとしていますが、さつきの葉はそれに比べて小さく、触感もすべすべしています。
このように、違いを見極めておかないと剪定に差し支える植物があるというのも、つつじの特徴だと言えるでしょう。