住まいの印象を決める玄関アプローチ
一口に「庭」といっても、人それぞれ思い起こすイメージは異なるかもしれません。庭木が美しく、眺めて楽しむような庭もあれば、芝生が広がり子供たちが遊べるような庭もあります。花などのガーデニングを主体とした庭もあります。なかには庭というほどのスペースはなく、あるのは門から玄関までの空間だけという人もいるでしょう。むしろ東京都内ではそういった家のほうが多いのかもしれません。
この門から玄関までの道すがらのことを「アプローチ」、もしくは「玄関アプローチ」と呼びます。アプローチを兼ねた庭というのも、ひじょうに多く、庭作りを語るうえでは外せない要素のひとつです。
アプローチは家屋まで人を導く動線であり、住まいの第一印象を決める重要な場所といえるでしょう。住む人の人柄や性格までも感じさせるとは思いませんか?
和風に仕上げて、石材を使った鋭角なデザインであれば、厳格な人が住んでいそうな気がしますし、洋風でカーブを基調としたやわらかいデザインであれば、人当たりのよさそうな人が出てきそうな気がしてしまいます。あくまで主観的なイメージですよ(笑)。
玄関アプローチでいちばん大切なこと
アプローチの設計やデザインも今ではいろいろなものがありますが、要点としてはまずなによりも使い勝手だといえるでしょう。門から玄関までを案内する道線なのですから、機能的で歩きやすいことが大切です。足元を選んで歩く必要がないように、通路の幅や長さ、仕上げの材料にまで神経を遣って作られます。滑りやすかったり、ヒールがはさまってしまうような通路だとしたら、安全に歩くことができません。
アプローチを兼ねた庭づくり
さらにアプローチの基本的な考え方は、門に立ったときストレートに玄関が見えないように、通路を曲げたり、あえて遠回りさせるような作りにします。そのようにしてゆとりと奥行きを感じさせ、スペースを設けると同時に道路からの視線を遮る目的があります。このスペースを活かした庭作りも工夫のし甲斐があって面白いものです。
造形的なワンポイントをつくると趣が出ていいかもしれません。植木や石を据えるのもいいですし、ときにはオブジェのようなものを取り入れても面白いものになるでしょう。
また花を多く使うのもおすすめです。家を出るときや帰ってきたときに、花の香りや木の香りがあれば、そっとあなたの心と目を癒してくれるでしょう。
これに加えてライティングも取り入れると、玄関までの道しるべとなり、なおかつ美しいライトアップが楽しめます。防犯効果もありますし、住む人のセンスが感じられる素敵なアプローチになるでしょう。
アプローチはリフォームされる方も多いのですが、近年ではスロープを併設してバリアフリーにしたり、玄関からカーポートまで屋根を設けている、なんて工夫もあります。雨に濡れずに車に乗り込めるというのはひじょうにありがたいですね。
またDIYでレンガや枕木などを使って自分好みに作る方も多いです。
アプローチはその家の顔となる部分です。どんな空間でも目を楽しませる工夫はできますから、遠慮なく自分や家族の希望を伝えてみてください。見栄えのするアプローチは建物の外観をいっそう引き立たせてくれるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。