まずは「木を痛めない剪定」を
はじめて剪定をするような場合、「切りすぎじゃないだろうか」「これでいいのだろうか」と慎重になってしまい、おそるおそるハサミを入れる・・・そんな方も多いかもしれません。しかし慎重になりすぎて何度も枝にハサミを入れるような切り方は、樹木に負担がかかってしまいますし、ギザギザになった切り口は腐食の原因にもなってしまいます。はじめての方や自信のない方は、「上手な剪定」を目指すよりも、まず「木を痛めない剪定」を目指すこと。これが何より大切ですし、上達の近道です。そのための剪定のコツは、この枝を切ると決めたら、思い切って大胆に切ることです。もし失敗したとしても、枝は再び伸びて、それなりに樹形を形づくってくれます。
思い切った剪定をするには、切り方のいくつかの基本がわかっていると、イメージもしやすくなります。今回は剪定の基本の切り方を3種類にしぼってみました。
すかし剪定で風通しと日照を確保
剪定の種類には目的別にさまざまなものがありますが、大きく分けると「すかし剪定」「切り戻し剪定」「刈り込み」の3つになります。これらを組み合わせて切り詰めていくのですが、基本は「すかし剪定」です。「すかし剪定」は「間引き剪定」ともいい、密生している先端の枝や葉数を減らすことで、風通しをよくし、内部まで日に当てることが目的です。美容院などでは髪の毛のボリュームを減らすときに「髪をすく」と言いますが、イメージは近いかもしれません。ただ、剪定の「すかし」は「透かし」ですが、髪を「すく」は「梳く」と、漢字が違うようですね。
「すかし剪定」は木への負担も少なく、枝先が残るので樹木全体の風情を損なわない自然な仕上がりが特徴です。
切り戻し剪定で大きさをコントロール
「切り戻し剪定」は、枝を途中で切って短くし、樹木の形を整える剪定です。剪定した後に伸びる枝の勢いを均一にして、大きさをコントロールすることが目的となります。ただ、枝先を切り落とすので、やりすぎると不自然な樹形になってしまうので注意が必要です。刈込みで美しい表面に
「刈込み」は生け垣などによく行う剪定で、表面全体の枝先や新芽部分を均一に切って形を整えることが目的です。多くは人工的な樹形を維持するために用いますが、他の剪定にくらべてあまり神経質にならずにできるので時間もかからず、はじめての方にも失敗が少ないでしょう。ただこちらも刈込みすぎて芽や葉をつぶしてしまうと、翌年芽が出なくなってしまうことがあるので、油断は禁物です。以上3種類の剪定方法を述べてみましたが、イメージできるでしょうか?この3種類を意識するだけでも剪定にとりかかる心構えがしやすいと思います。コツは思い切って大胆に、です。
ちなみに・・・刈込みバサミは両手を動かすのではなく、一方の柄は固定し、もう片方の手で動かしていくと安定して作業ができます。コツは肩に力が入らないようにリラックスを心がけること。両手を使おうとすると肩に力がはいってしまい、肩こりの原因になってしまうかもしれません。
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