夜の庭をライトアップして神秘的な空間に
剪定や刈込みなどの手入れをして、美しい景観をつくり出している庭。その庭を昼間しか見ない、というのは非常にもったいないことです。夜の庭というのは、樹木がつくり出す暗闇でちょっと怖いような印象を受けるかもしれません。しかし、ライトアップを上手に活用することで、昼間とはまったく違った雰囲気を楽しむことができるのです。ライトというと、クリスマスのイルミネーションのようなものを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ライトアップは建物や植物に光を当てることで浮かび上がらせ、美しい景観を演出することです。夜の静寂の中、明かりに照らされた庭を眺めながらすごす・・・ライトアップすれば、一年中ナイトガーデンを楽しむことができるでしょう。
おしゃれで安全なライトアップ
そんなライトアップですが、もちろんただ照らせばいいというわけではありません。ちょっと大きめのホテルや旅館の庭やアプローチ(道路から玄関までを結ぶ通路)を思い起こしていただけるとイメージしやすいかもしれませんが、景観と同時に実用のためにも使われていることが分かると思います。
日が暮れて見えづらくなってきた夕刻、玄関まで導くように配置された照明は私たちを案内してくれますし、階段や段差も安全に歩くことができます。また庭のライトアップは不審者の侵入を防ぐといった効果もあります。不審者は暗闇などの人の目の届かないところを狙いますから、適度な明るさは侵入しにくい心理的効果を生み出します。
何より明かりによって作り出された光と陰は、日中とはまた違った趣を見せてくれることになるでしょう。この観賞と実用の両方を有効的に生かすためには、計画的なライトアップが必要になってきます。
虫が寄りにくい?LEDを使うメリット
ライトアップというと光熱費やメンテを気にする方も多いですが、最近はLEDが普及したおかげでかなり楽になりました。白熱球の寿命が1500~2000時間というのに対して、LEDの寿命は約40000時間と言われています。これは一日10時間使ったとしても10年以上は交換不要ということになります。消費電力も圧倒的に少ないので、電気代も安く抑えることが可能です。またLEDを使ったライトアップのメリットとして、虫が寄りつきにくいということがあります。虫たちは紫外線に反応して明かりに集まるのですが、LEDはほとんど紫外線を出しません。さらに赤外線もほとんど出さないため、熱も出しにくく、周辺の植物を痛めない、というのも大きなメリットと言えるでしょう。庭に玄関に気兼ねなく設置しやすいのです。
少々LED普及の事業者みたいになってしまいましたね。
照明の上手な使い方は「陰をつくる」ということです。庭には空間の演出という役割もあると述べましたが、光と陰、明るい所と暗い所のコントラストが庭に奥行きを感じさせてくれるのです。日中とは違ったもうひとつの庭づくりを試してみると、今の庭を何倍も楽しむことができるのではないでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。