世田谷の植木屋がメッセージ〜ただ植えられているわけではない、庭木の役割
世田谷で活動する植木屋が記事を書きます。
あなたの家の庭に木が植えられている理由はなんでしょうか?
なぜ庭に木を植えようと思ったのでしょうか?
多くのお客様が「やっぱ庭には緑がほしいからね」とか「安らぎが得られるかなと思って」と、景観からくる癒しや見た目の美しさを理由としておっしゃいます。中には「風水的にあるといいんだよね」という方もいたりしますが、大半のお客様は景観、見た目上の理由をあげて相談に来られます。
以前このコラムの中で、「庭木というのはただ庭に植えられている木というわけではない、庭木としての役割を担うためにそこに植えられている」といったことを述べさせていただきました。庭木の役割・・・それにはもちろん多くのお客様がおっしゃるように景観としての理由もありますが、実はそれ以上に多くの役割を庭木は担っているのです。ふだん意識することはあまりないかもしれませんが、そういった庭木の役割を少しでも頭に留めておいていただくと、自分の庭に対しての愛着や見方が変わってくるかもしれません。そして同時に、なぜ剪定が必要なのかということもはっきりとわかってくると思います。
身近に感じられる自然、庭木
庭木の役割のひとつ、それは多くのお客様が望むように、見て楽しむこと、鑑賞して心の安らぎを得ることです。木々の緑というのは、そこにあるだけで私たちの目を和ませてくれますし、時には心さえも癒してくれるものです。誰しも仕事などで疲れたときに、自然の緑、木々の緑を見てホッとした経験をお持ちではないでしょうか。森林浴にストレス解消などの一定の健康効果があることは、医学的にも解明されているようですが、庭木の緑は私たちに身近に自然を感じさせてくれる存在です。その色合いや茂り方で四季の移り変わりを見せてくれますし、時には木のにおいや葉のにおいといった香り、さらには枝の触れ合う音や葉の重なりあう音など、多くの感覚で我々を楽しませてくれるのです。
庭木は自然の防御壁、あなたの家を守ります
庭木が住宅を守っている、と言ったら大げさかもしれませんが、庭木にも緩衝材としての役割があります。例えば海上からの強風を和らげるために植えられている防風林、防火の役割を果たしたり、騒音を和らげるなどの目的で植えられている街路樹など、生活の場を守る目的で樹木が植えられている例は多くあります。庭木も防風林ほどではなくても、風や雨を和らげ家屋に直接当たることを防いでくれるのです。また風を防ぐだけでなく、庭木の配置によっては風の流れ方を変えたり、風通しをよくすることもできます。
ちなみにこちらの写真はある企業様の庭で撮影したものです。セミの抜け殻ですが、いつ頃の撮影かお分かりでしょうか?少しわかりにくいかもしれませんが、地面に落ちているやや薄いピンクの花びら・・・これ実は桜の花びらなんです。撮影したのは今年の4月。昨年の夏から実に半年以上も雨風から守られていたということになります。これも庭木が雨風を和らげることで、落ちることなく残っていたのでしょう。もしかしたら、受験生にはいいお守りになったかもしれませんね。 庭木の役割はまだまだ一部です。もう少し語りたいのでいましばらくお付き合いください。ですが今回はここまでで次回に続けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました
